はじめに
みなさんこんにちは。ファイブアカデミーです。
試験勉強は順調に進んでいますでしょうか?
今回は「試験に出る心理用語シリーズ」として、社会心理学の分野から「社会的アイデンティティ理論」というキーワードをご紹介します。
身近な例にも当てはめやすい内容なので、ご自身の場合に置き換えて読んでいただくとイメージが湧きやすいかと思います。
内集団びいき
まず社会的アイデンティティ理論という言葉を理解するために、「内集団」「外集団」「内集団びいき」という言葉からご紹介します。
「内集団」「外集団」は下記の通りに定義されます。
自らが所属している集団を内集団、所属していない集団を外集団という
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例えばA大学の学生さんにとってはA大学は内集団ですが、B大学は外集団ですね。
他の例ですと、日本人にとっては日本は内集団で、それ以外の国は外集団です。
次に「内集団びいき」は下記の通りに定義されます。
外集団に比べて、内集団を高く評価したり、好意的な態度や行動をとる傾向
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たとえば、甲子園や箱根駅伝で自分の母校を応援したり、オリンピックで日本の選手を応援したりするのはこれに該当するといえます。
社会的アイデンティティ理論
ではどうして人間は「外集団」より「内集団」を高く評価する傾向があるのでしょうか?
この要因を説明したのが「社会的アイデンティティ理論」です。
この理論は、Tajfel,H.(タジフェル)とTurner,J.C.(ターナー)という心理学者によって提唱され、下記の通りに考えられる理論です。
所属する集団のメンバーである自分への肯定的な評価を得るために、外集団と比較し、内集団を優位に位置づけようと動機づけられる結果、内集団びいきが生じる
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先ほどの例で考えるならば、オリンピックで日本の選手を応援するのは「日本」という内集団に所属する自分への肯定的な評価を得ることが目的である、といえます。
ただし内集団びいきは状況によっては外集団への差別や偏見の要因ともなりうるので注意が必要といわれています。
おわりに
というわけで今回は「社会的アイデンティティ理論」というキーワードをご紹介しました。
「社会的アイデンティティ理論」から起こる「内集団びいき」の例を今回はスポーツ観戦でご紹介しましたが、他にも色々なジャンルに当てはまるので考えてみると、理解が深まるかと思います。
今回の投稿は以上となります。
ここまでご覧いただきありがとうございました。