動機付けのメカニズム・アンダーマイニング効果と機能的自律性とは?【試験に出る心理用語】

はじめに

みなさんこんにちは。ファイブアカデミーです。

試験勉強は順調に進んでいますでしょうか?

心理学を勉強していると「動機付け」という言葉が出てきます。

読者の皆様も何らかの「動機付け」があって心理学や心理職に関心を持ち勉強されていることと思いますが、この「動機付け」について心理学ではどのように考えられるのか?ということを今回はご紹介いたします。

内発的動機付けと外発的動機付け

心理学でいう「動機付け」とは簡単にいうと「何かしらの行動を決めたり、続けたりするプロセス」のことをいいます。

そしてこの「動機付け」は「外発的動機付け」「内発的動機付け」に分類されます。

①外発的動機付け

「外発的動機付け」は下記の通りに定義されます。

報酬や賞賛といった何かを獲得るための手段として機能するもの

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例えばお金を貰えたりや他人から褒められたりするなど、外部から何らかの報酬を得ることを目的として行動する際の動機付けのことです。

「英語の定期試験で良い点を取ったら親からお小遣いがもらえるから頑張る中学生」などがこれに当てはまります。

②内発的動機付け

次に 「内発的動機付け」は下記の通りに定義されます。

報酬や賞賛を獲得するために行動するのではなく、行動の遂行によって満足や喜びを見いだすように、行動そのものが目的となっていること

心理学専門校ファイブアカデミー(2020).心理学キーワード&キーパーソン事典 ナツメ社

つまり「外発的動機付け」のようにお金を貰えることや人に褒められたりすることではなく、楽しみややりがいなどを目的として行動する際の動機付けのことです。

例えば「どこにも公開しないけれど、描くこと自体が楽しいから趣味で漫画を描いている人」などがこれに当てはまります。

動機付けは変わり得る

そして興味深いことに、この「動機付け」というものは変わっていくこともあります。

具体的には「アンダーマイニング効果」「機能的自律性」という用語で説明されているので簡単にご紹介します。

①アンダーマイニング効果

まず「アンダーマイニング効果」は下記の通りに定義されます。

内発的に動機づけられた行動に対して、外的な報酬などを与えることによって動機付けが低下する現象

心理学専門校ファイブアカデミー(2020).心理学キーワード&キーパーソン事典 ナツメ社

先ほどの例を使うと、最初は好きで書いていた漫画を何かのきっかけでインターネットに公開してみたら、人気がでてしまい、大手から漫画の出版が決まったとします。

すると「多くの人に受ける作品を書かないといけない」「たくさん売れるような作品を書かないといけない」というように、最初の「ただ楽しくて漫画を描いていた気持ち」が薄れていってしまったとします。

つまり、目的が「楽しさ」から「世間の評価や売り上げ」へと変わっていったということで、「内発的動機付け」が減っていったということです。

これが「アンダーマイニング効果」の一例です。

②機能的自律性

次に「機能的自律性」は下記の通りに定義されます。

生得的な欲求を満たすための手段として用いられてきた行動や事物が、その過程のなかで自律的なものへと変化し、そのこと自体が欲求の対象となること

心理学専門校ファイブアカデミー(2020).心理学キーワード&キーパーソン事典 ナツメ社

これはパーソナリティの研究などで知られるアメリカの心理学者のAllport,G.W.(オールポート)が提唱しました。

例えば「最初は生計を立てるためにしていた仕事だったが、だんだんそこにやりがいを感じるようになりその仕事そのものが好きになっていった」例などはこれに当てはまります。

この場合は報酬が「給料」から「仕事へのやりがい」へと変わっていったということです。

これが「機能的自律性」の一例です。

おわりに

というわけで今回は心理学における「動機付け」についてご紹介しました。

試験勉強のように、時には孤独に自分自身と向き合うときには、この二つの動機付けを上手く使い分けていきたいものですね!

今回の投稿は以上となります。

ここまでご覧いただきありがとうございました。