はじめに
みなさんこんにちは。ファイブアカデミーです。
試験勉強は順調に進んでいますでしょうか?
公認心理師や臨床心理士の試験には必ず「事例問題」というものが出題されます。
これは「こういうケースの時に心理職としてどう考え、どう動いたら良いか?」という現場の判断が問われる問題です。
ただ一度も現場で働いたことがない受験生の方にとっては、なかなかイメージがしにくい問題でもあります。
そこで今回はそんな事例問題を解く際に役に立つ「SOAP」という記録方法をご紹介します!
SOAPという記録方法
ここで「事例問題と記録方法って何の関係が?」と思った読者の方もいらっしゃると思いますが、
それは後ほどご紹介しますので…まずは「SOAP」という記録方法のご紹介をいたします。
「SOAP」というのは心理職の現場などで取る記録の形式のことを指します。
記録というのは例えば個人のカウンセリングだったり、集団のグループでの活動記録だったり、様々な場面で必要となります。
そして「SOAP」というのは4つの言葉の頭文字です。
①S(Subjective):クライエントの発言などの主観的な情報
②O(Objective):クライエントの行動などの客観的な情報
③A(Assessment):心理職としての見立て
④P(Plan):今後の支援のプラン
このように、実際の現場では①~④の項目に分けて記録を残したりしています。
事例問題を読み解くポイント
では、この「SOAP」という記録法が事例問題にどのように使えるのか?という事についてご紹介します。
まず事例問題では「どんな状況が起きている?」「クライエントはどんな人?」「クライエントは何に困っている?」「困っているクライエントをどう支援していけばいい?」というポイントで読み解いていきます。
これを先ほどの「SOAP」に当てはめてみると大まかにはこんな感じになります。
①S(Subjective):クライエントの発言などの主観的な情報→クライエントはどんな人か?の手がかりとなる
(例:「私のせいでみんなに迷惑をかけてしまっていて申し訳なくて…」という発言がある)
②O(Objective):クライエントの行動などの客観的な情報→客観的状況を把握
(例:食事量が減り体重が5キロ減少した)
③A(Assessment):心理職の見立て→①②を踏まえて、「クライエントはこんな人でこんなことに困っている」と考える
(例:もともと自責的かつ完璧主義な性格もあり、今の仕事の環境に適応できず鬱状態にある)
④P(Plan):今後の支援のプラン→クライエントをどう支援していけばいいか?を考える
(例:医療につなぐ、定期的な心理面接を行う)
もちろん状況に応じて細部は変わってはきますが、このように項目別に整理してみると事例問題の糸口が見えてくる、というわけです。
反対に、状況がうまく把握できていないときは①~④がごちゃごちゃになっている、ともいえます。
おわりに
というわけで今回は「SOAP」という記録方法のご紹介でした。
今起きている状況をしっかり把握して見立てを立てた上で、どうアプローチするか?と考えることは現場に出てからも必要となるので、
そんな時にこの「SOAP」が役に立ちます。
事例問題が苦手な方は、試しに「SORP」を当てはめて解いてみると、新しい発見があるかもしれませんね!
今回の投稿は以上となります。
ここまでご覧いただきありがとうございました。