第3回公認心理師資格試験 日程決定

皆さんこんにちは!ファイブアカデミー講師のTです。

私は公認心理師・臨床心理士としてこれまで主に福祉の領域を中心に活動をしてきて、現在ファイブアカデミーの講師を務めており、心理系大学院受験・公認心理師・臨床心理士資格試験の対策を指導しております。

これから心理職を目指そうと考えている方や、現在心理職・対人援助職をなさっている方などに向けて、何か参考になりそうなことをコラムとして発信していきます。お時間のある時にチェックしていただけると嬉しいです。

今回のテーマは、「第三回公認心理師試験日の決定について」です。

元々、第三回公認心理師試験は2020年6月に実施予定でしたが、コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、試験日が延期されておりました。そして、つい先日延期となった試験日が2020年12月20日(日)と発表されました。

試験日が延期になり、延期日が発表になるまでの間、受験生の方は試験日がいつになるか分からないことから、学習プランの見直しを余儀なくされ、モチベーションを維持することも難しい日々が続いたと思います。そういう意味からいうと、試験日が決定されたことでまた目標が明確となり、気持ちを新たに学習をリスタートするきっかけになった方もいるかもしれません。中には、早く試験日が決まってほしいと思っていたけれど、いざ試験日が決まると残りの時間が明確になる分、不安や緊張が表面化してくるという方もいるかもしれません。

12月20日の試験日に向けて大切だと思われることは様々ありますが、1つピックアップするならばズバリ、「12月20日の試験日を最終ゴールとしないこと」だと思います。連日報道されているように、コロナウイルスの感染状況はまだまだ猛威を振るっています。したがって、12月20日と試験日は決まりましたが、状況によっては試験が再延期となる可能性も否定できません。また、6月の試験に照準を合わせて準備を進めてきたところで、試験日が延期になり、がくっと学習ペースやモチベーションが下がった方も少なくないはずです。その背景には、6月の試験に照準を当てすぎた、つまりゴールとしてとらえすぎてしまい、そのゴールが不安定になったことで日々の準備の目標が不明瞭になってしまったがゆえに、モチベーションが失われたということがあるのかもしれません。

【公認心理師試験の学習はジョギングをすること】

例えを用いて考えてみると、公認心理師試験に向けた学習は「マラソン大会」ではなく、「日々のジョギング」として行うことが望ましいと言えるかと思います。

マラソン大会は明確なゴールが決まっている=ゴールまでの距離が決まっているので、自身の体力や目標の記録を考慮し、ペースを考えて走ることになります。ですが、走っている途中でゴール地点が変更になり、あとどれくらい走ればよいのか、どれぐらいのペースで走ればよいのかが分からなくなってしまうと、途端に走者は不安になります。こういった現象が6月の試験に向けて準備してきた受験生に生じたと考えられます。12月の試験においても、同じ捉え方で準備を進めると、最悪再延期になった場合同様の状態になることが考えられます。したがって、「日々のジョギング」と捉える必要があります。

「日々のジョギング」をする目的は人によって様々ですが、例えばジョギングが好き、健康のためといった目的が挙げられると思います。こういった「日々のジョギング」をする目的というのは、「マラソン大会」と比較すると明確なものではないことが分かります。

【公認心理師試験を受ける目的は何?】

そもそもの公認心理師試験を受けることの目的は、資格を取るということの先にあるはずです。公認心理師は実践の専門職の資質を示す資格であるため、資格をとったら終わりというものではありません。なおかつ、公認心理師法で資質向上の責務が明記されていることからも、このことは明らかです。したがって、12月20日に試験日は決定しましたが、そこに向けて「マラソン大会」をするのではなく、「日々のジョギング」の途中の一種の記録会程度に捉えておくのがちょうどよいかもしれません。もちろん記録会(試験)に向けて自分のコンディションの準備・調整はしますが、あくまでも記録会(試験)は最終目標ではありません。ですので、記録会の日程が再び延期になったからといって、日々のジョギングを止めてしまうのではなく、より先の目標・意義に向けてジョギングを継続する必要があります。

【公認心理師試験の学習は,試験のためだけの学習ではない。】

試験に向けて行う学習は、もちろん試験合格のためになるのはもちろんのこと、その先のクライエントとの関わり、言い換えれば実践につながるものであると私は思っています。試験に向けて行う学習は、試験にしか役に立たない学習をしているわけではないし、そうであってはいけないと思います。私が講義をする際も、試験に役立つことはもちろん、その先の実践につながるような講義にしなければと心がけています。

ですので、公認心理師試験を受けることの目的や、それに向けて学ぶ知識の意味付けをしっかり考えておくことが重要かと思います。そこが公認心理師資格の取得、試験に受かるためだけの学習だと、「マラソン大会」となってしまい、ゴール(試験日)が分からなくなると、途端に走ることをやめてしまう(走ることがつらくなる)かもしれません。ですが、公認心理師資格を取得することの目的、そのために学ぶ知識の意味付けを自分なりに考えて掴むことができると、「日々のジョギング」として試験日に左右されすぎずに継続的・安定的に学習(走ること)ができるのかもしれません。受験生の皆様が公認心理師試験を受けることを決めたきっかけや思いは、どのようなものなのでしょうか?

今回はここまでにしようと思います。コラムの最後に、私が好きな言葉(コラムのテーマと必ずしも関連があるとは限りません)を載せて終わりたいと思います。読んでいただき、ありがとうございました。

「安全は提供できても、安心は提供できない」

(指導教員から私が言われた言葉)