IQの指標「ワーキングメモリー」とは?【試験に出る心理用語】

はじめに

みなさんこんにちは。ファイブアカデミーです。

試験勉強は順調に進んでいますでしょうか?

一般的に「あの人は記憶力が良い」などといわれたりしますが、今回は「記憶力」を表す指標の一つの 「ワーキングメモリー」 というキーワードをご紹介させていただきたいと思います。

長期記憶と短期記憶

本題の前にまず記憶の大まかな仕組みをご説明します。

人間が受け取った情報は「感覚記憶」→「短期記憶」→「長期記憶」の順番で定着し、忘れないものとなります。

過去記事でもご紹介しましたが 「長期記憶」に入った記憶は半永久的に覚えていると考えられています(ただし、一時的に思い出せない事もあります)

これに対して「短期記憶」は一時的に覚えている記憶です。

しかし私たちはただ単に記憶を頭に一時的においておくだけでなく、いろんなことを頭の中で行っています。

それをモデル化したものが「ワーキングメモリー」というものです。

ワーキングメモリーとは?

ワーキングメモリーとはイギリスの実験心理学者Baddeley,A.(バッデリー)が提唱したモデルです。

「短期記憶」に関して「記憶を一時的においておくところ」ではなく、情報処理の機能があるとしたものです。

ワーキングメモリーは具体的に以下の部分からなります。

①視空間スケッチパッド:視覚的・空間的情報を処理

②エピソード・バッファ:長期記憶へのアクセスや情報の統合を行う

③音韻ループ:言語的情報を処理

④中央実行系:これらの下位システムを制御する

心理学専門校ファイブアカデミー(2020).心理学キーワード&キーパーソン事典 ナツメ社

このように少々聞きなれない用語が多い理由は、情報処理の分野の考えをベースにしているからです。

例えば会社の中にも人事、経理、総務、営業などがあるように、「頭の中にいろんな働きをする部分がある」くらいに考えていただいて大丈夫です。

具体例をご紹介

では以上を踏まえて具体例をご紹介します。

それは「暗算」です。

例えば、「3×4÷2+5=?」という暗算をするとします。

この過程では「暗算に使う数字を一時的に覚える」だけでなく「頭の中で掛けたり割ったり足したり」という作業も必要となります。

この「頭の中での作業」という過程がワーキングメモリーにて行われています。

(ちなみに、この計算の答えは…「11」です)

他には私たちが日常的に行っている「会話」もそうですね。

つまり「言葉」という「音声」を頭にとどめておいて、その言葉に対して自分の返事を考えるという行為もワーキングメモリーを使っているという事です。

おわりに

というわけで今回は「ワーキングメモリー」というキーワードをご紹介しました。

ちなみにご自身のワーキングメモリー特性について理解すると、日頃の仕事や勉強の効率アップのヒントにもなるかもしれまん。

心理学の知識を日常に活かしつつ勉強をしていくとさらに理解も深まるのでおススメです!

今回の投稿は以上となります。

ここまでご覧いただきありがとうございました。