はじめに
皆さんこんにちは。ファイブアカデミーです。
試験勉強は順調に進んでいますでしょうか?
以前の記事で「パーキンソンの法則」という法則をご紹介しましたが、この他にも試験勉強に応用できる法則はいくつもあります。
今回は「ヤーキーズ・ダットソンの法則」という法則についてご紹介します。
ヤーキーズ・ダットソンの法則とは?
ヤーキーズ・ダットソンの法則は、アメリカの心理学者のYerkes,R.M(ヤーキーズ)とDodson,J.D(ダットソン)が提唱した法則で、下記の様に定義されます。(「ヤーキーズ・ドットソンの法則」とも表記されます)
ある最適水準までは覚醒の増加とともにパフォーマンスはよくなるが、最適水準を超えると逆に低下していくというものである。
箱田裕司(1999)『心理学辞典』有斐閣 ,p.850.
上記の文章を簡単な図にしたものがこちらのグラフです。
横軸の「覚醒の水準」というのは、緊張の度合いの様なイメージです。例えば低いときは寝起きの様なリラックス状態、高いときは試験本番のような緊張状態が挙げられます。
一見、覚醒の水準が高い方が学習パフォーマンスは高いようにも思えなくもないですが、図をご覧いただくと分かるように、覚醒水準が高くなるほどパフォーマンスは下がっていきます。
つまり、リラックス状態と緊張状態の中間である「ほどほどの覚醒状態」が一番パフォーマンスが良いという事になります。
具体例をご紹介
更にこの法則では「課題の難易度」についても下記の様に定められています。
- ①課題が易しい場合…覚醒の水準が高い方がパフォーマンスが良くなります。
- ②課題が難しい場合…覚醒の水準が低い方がパフォーマンスが良くなります。
ここで例えとして「心理系大学院受験の試験勉強」について考えてみたいと思います。
心理系大学院受験の試験勉強は、心理用語の暗記、論述問題対策、統計の勉強、英語の勉強…など多岐に渡るので、受験生それぞれに「得意な(好きな)課題」「苦手な(好きではない)課題」があるかと思います。
ここで「英語は得意だけど、論述問題が苦手」という受験生がいたと仮定してみましょう。
するとこの受験生は、「英語」の科目であれば試験本番という緊張度が高い場面の方が日ごろの力を発揮しやすくなる一方、「論文記述」の科目は試験本番ではいつもの力を発揮しにくくなる、と予測されます。
このように「覚醒の水準」と「課題の難易度」の両方を考慮することが大切、ということがいえます。
おわりに
今回の投稿は以上となります。
試験勉強だけに限らず、就職の面接や大勢の前でのスピーチなど、「覚醒の水準が高い場面」に遭遇したときに、ベストなパフォーマンスが出せるように、この法則を上手く活用していただければと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました。