「態度変容」の仕組み・精緻化見込みモデルとは?【試験に出る心理用語】

はじめに

みなさんこんにちは。ファイブアカデミーです。

試験勉強は順調に進んでいますでしょうか?

心理学には「態度変容」というテーマがあります。

これは「人はどんなとき、どのようにしたら態度が変わるか?」ということについての研究がベースとなっています。

「態度」というとピンと来ないかもしれませんが、「相手を説得したいとき」「顧客にものを買って欲しいとき」などは、態度変容の具体例といえます。

この態度変容の仕組みは 「精緻化(せいちか)見込みモデル」 というもので説明できるので、今回は【試験に出る心理用語シリーズ】として 「精緻化見込みモデル」 をご紹介します!

精緻化見込みモデルとは?

「精緻化見込みモデル」は心理学者のPetty,R.E.(ペティ)社会神経学者のCacioppo,J.T.(カシオッポ)によって提唱されました。

「精緻化」とか「モデル」とか聞くと少々難しい印象ですが、精緻化見込みモデルとは人はどのようにして説得され、態度を変えるのか、という仕組みと考えていただいて大丈夫です。

このモデルには「中心ルート」「周辺ルート」という2つの種類がありますので簡単にご紹介します。

①中心ルート

「中心ルート」は情報を受け取る側が以下のような場合のモデルとなります。

動機付けや予備知識がある場合、内容についての吟味(精緻化)がなされ、それについての認知構造が形成され、態度変化の方向が決まる。このような経路を中心ルートという。

心理学専門校ファイブアカデミー(2020).心理学キーワード&キーパーソン事典 ナツメ社

②周辺ルート

一方で周辺ルートは 情報を受け取る側が以下のような場合のモデルとなります。

動機付けや予備知識がない場合、内容についての吟味(精緻化)はなされず、送り手の専門性や論拠の数の多さなどの内容とは関係ない周辺的な手がかりによって認知構造が形成され、態度変化の方向が決定される。このような経路を周辺ルートという。

心理学専門校ファイブアカデミー(2020).心理学キーワード&キーパーソン事典 ナツメ社

このように、精緻化見込みモデルには2つの種類があります。

ただこの説明だけだとイメージが湧きにくいかもしれませんので、次に具体例を示してご説明していきます。

身近な具体例

例えばステーキ店の広告を思い浮かべてみて下さい。

おいしそうなお肉の映像や、お肉の焼ける音などが思い浮かびますよね。

これらは映像や音などを使い「おいしそう!食べたい!」と思って買ってもらうことを目的に作られています。

まずこれが「周辺ルート」を使った広告ということです。

反対に「このA5ランクの牛肉は、信頼できる契約農家から一頭買いした〇〇牛からとれる希少な■■という部位を使っており、更に××を食べて育ったので脂身の口どけもなめらかで…」といったお肉の内容についての情報がメインの広告は「中心ルート」を使った広告となります。

両者を比べてみると、ステーキ店の様な業態のビジネスの広告には「中心ルート」よりも「周辺ルート」に訴えかける広告が多く使われていると考えられます。

これが身近な例を精緻化見込みモデルで考えた具体例となります。

おわりに

というわけで今回は「精緻化見込みモデル」についてご紹介しました。

今回は「態度変容」の心理学的な仕組みをご紹介しましたが、私たちが日ごろ何気なく目にする広告からもいろいろな発見がありますし、自分に関連する事柄と結びつけると記憶にも定着しやすくなります。

試験勉強は長く大変な道のりですが、楽しみながら取り組んでいきましょう!

今回の投稿は以上となります。

ここまでご覧いただきありがとうございました。