第3回公認心理師試験合格発表

 皆さんこんにちは。ファイブアカデミー講師のTです。

 まずはじめに、2/13(土)、福島県・宮城県を中心とした強い地震がありました。被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げるとともに、1日も早い再建をお祈り申し上げます。

 さて、2/12(金)に心理研修センターより第3回公認心理師試験の合格発表がなされました。
 総受験者数13629人、内合格者数7282人で、合格率が53.4%とのことで、予想よりも高い合格率で驚きました。採点基準についてはこれまでの試験と特に変更はありませんでした。詳しい詳細は心理研修センターのHPをご確認ください。 
 改めてご受験された皆様、本当にお疲れさまでした。第3回試験は、新型コロナウイルス感染拡大による試験日の延期、生活環境の変化等の影響を受けながらの試験への準備を強いられました。また、試験の難易度としても易しいと言えるものではありませんでした。今回の試験で思うような結果が得られず次の試験に向けて再挑戦を考えている方や、新型コロナウイルス感染拡大の影響から第3回試験の受験自体を見送った方もいらっしゃると思います。
 今回の記事では第4回公認心理師試験に再挑戦される方(公認心理師試験の受験経験があり、第4回試験を受ける方)へ向けた試験対策について考えてみたいと思います。少しでも参考になれば幸いです。

試験本番時のパフォーマンス・試験までの学習の振り返り

  まず、公式の試験の解答を基に自身の得点を算出し、間違えた問題を洗い出してみましょう。そして、間違えた問題について、間違えた原因に応じて分類をしてみましょう。
 ざっくりと分類してしまうと、「知識が足りなかった問題」と「ケアレスミスの問題」に大別されるかと思います。
 「知識が足りなかった問題」については、設問によって「正答できなくても致し方ない:ほとんどの人が正答できない」というレベルの知識が問われているものがあります。そういった設問で得点できなかったことはそこまで気にする必要はありません。
 注目したいところは、「正答しておきたい問題:大半の方が正答できる基本的問題)/正答できる問題:2人に1人が正答できるような標準的問題)」で落とした問題の量、そしてその分野です。「正答しておきたい問題/正答できる問題」とは、大雑把に言うと様々な公認心理師試験対策テキスト、問題集、過去問、模試等で記載や出題があるものとイメージしていただければと思います。第4回試験に向けての対策を考える上では、この基本・標準レベルの問題を正答できる力を養成することがカギとなってきます。言い換えれば、基本・標準レベルの問題で正答できなかった要因を1つ1つクリアしていくことが重要です。
 基本・標準レベルの問題が正答できなかった要因は様々に考えられます。
 1つは、シンプルに基本・標準レベルの知識の習得がうまく行かなかったということです。その原因は、学習時間が十分に確保できなかった、学習をする上で中心としていた教材がカバーしている範囲が十分ではなかった、といったことが考えられるかと思います。このような場合は、学習スケジュールや学習教材について入念に検討・準備をして計画を立てる必要があるかと思います。
 もう1つは、試験本番のパフォーマンスで自分の実力が出せなかったということです。上記で言うところの「ケアレスミスの問題」に当たります。「マークを塗るところを間違えた」「誤っているものを選ぶ設問で正しいものを選んでしまった」「落ち着いて読んだら分かる問題を焦ってしまい、誤ったを解答を選んでしまった」等が挙げられます。基本的に人間はミスをする生き物ですので、試験対策をする上では、「本番でのパフォーマンスは普段通りにはできない」ぐらいのイメージで準備をすると丁度良いかもしれません。そういった想定で、試験本番での時間の使い方(1問にどれぐらい時間をかけ、見直しにはどれぐらい時間をかけるか等)を具体的に考え、それを問題演習で実践することが必要です。過去問や模試等を活用して、自分なりの試験に臨む戦略的なスタイル(問題を解く順番や時間配分などの方法など)を確立しておくと、試験本番での実力のブレの防止につながります。
 さらに、分かっていたつもりになっていた分野や、苦手な分野があったということが挙げられます。つまり、正確な知識として定着しきれていないところがあったということです。分野によっては時間をかけても中々理解や定着が難しいところがあるかもしれません。まずはそういった分野があるかどうかを分析し、その分野にいかに対処するかを考える必要があります。

事例問題を得点源にできるようにする

 第4回試験を考える上で、事例問題を確実に得点源にできるようにすることが非常に重要かと思います。配点が1問3点と高いこともありますが、第3回の試験、また第1・2回試験を振り返っても、事例問題は知識問題と比べると、難問や奇問のようなものが少ない傾向があります。第3回試験において事例問題の失点が多くなると、知識問題の難易度が比較的高い分、合格点をとるのが難しくなってしまうことが考えられます。ざっくりとした基準で言うと、事例問題がおよそ8割程度(事例問題が計38問=114点なので、およそ90点)得点できるようになっていると、大きな武器になります。試験の見直しをする上で、特に事例問題での間違いが多いようであれば、重点的に分析し、対策を練りましょう。

どのような方法で試験対策をしていくか。

 上記のような観点で分析を行い、自身に必要なことを洗い出したら、それ等にどのようにアプローチしていくかを検討していく必要があります。用いる教材や学習の形態を、かけられる費用・労力・時間のバランスを考慮して決定していきます。詳細なアプローチの仕方は個人個人で異なってくるので、これが正解ということは言えません。中々自分で判断するのが難しいという場合は、身近に公認心理師の方がいればアドバイスをもらったり、公認心理師試験対策を行っている各種予備校等で相談をするのも1つです。
 

自分の意思を見つめる

 第3回の公認心理師試験では、試験日の延期や生活環境の変化等があり、試験に対するモチベーションの維持が非常に困難であったと言えます。そしてそれは、第4回試験でも重要な課題です。状況によっては、再び試験が延期になるといった可能性も否定できません。
 様々な学習の方略や教材等がありますが、最終的にはそれを実行に移せるかどうかであり、それは自分の意思次第です(どんなに良い車でも燃料がないと走れないのと同じで、結局は試験対策に向けて努力できる体と気持ちをしっかり準備することが一番大切です)。どういった理由で公認心理師を目指すのか、公認心理師を目指す必要性は何なのか、それを明確に自分の中で整理し、意識することが、学習の原動力に繋がっていくと思います。そこが曖昧のまま学習を始めると、継続させることが難しくなってしまうかもしれません。

最後に

 以前の記事でも書きましたが、試験によって公認心理師としての資質がすべて評価できるわけではないと思っています。つまり、試験に合格したら公認心理師としての資質が完璧というわけでもなければ、不合格だからといって公認心理師になる資質がないというわけでもありません。社会的に、公認心理師あるいは公認心理師試験に対する様々な意見があります。ですがそれはあくまで1つの意見であり、それが正しいということではありません。公認心理師になる価値や理由、公認心理師になる必要性というのは、最終的には自分自身で決めるものであり、自分で納得ができるかどうかが大事で、他人に決められるものではありません。第4回公認心理師試験の受験を目指される方が、試験までの期間を自分で納得のいく時間や経験にできることを祈っております。

今回の一言
 You are what you do, not what you say you’ll do.
(あなたが言うことではなく、あなたがすることがあなた自身なのだ。)
By C.G.Jung

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