はじめに
皆さんこんにちは。ファイブアカデミーです。
試験勉強は順調に進んでいますでしょうか?
以前の記事で「社会的アイデンティティ理論」についてご紹介しましたが、心理学には「集団の心理」をテーマとして扱っているものが多々あります。
今回はその中でも「集団極性化」について簡単にご紹介します。
集団極性化とは?
まず集団極性化は下記の様に定義されます。
各個人の判断や考えが、集団意思決定によって、より極端に変化するものをいう。
心理学専門校ファイブアカデミー(2020).心理学キーワード&キーパーソン事典 ナツメ社
簡単にいうと、個人での意思決定に比べて、集団の意思決定は極端な方向にいきやすい、ということです。
更にこの集団極性化は、個人における意思決定と比べてよりリスクを取る方向に行く「リスキーシフト」と、より安全な方向に行く「コーシャスシフト」に分類されます。
次にその一例をご紹介します。
例をご紹介
「リスキーシフト」の例としては、「赤信号みんなで渡れば怖くない」という有名なフレーズが分かりやすいかと思います。一人では渡らない赤信号も集団だと渡ってしまうということですね。
他にも大企業の経営破綻や、戦争における敗戦の歴史などを紐解いてみると、「上層部の意思決定がリスキーシフトに傾いたことが原因だった」という事例をたくさん垣間見ることができるでしょう。
「コーシャスシフト」はこの反対の現象で、例えば職場の会議などで「全体の意見が慎重になりすぎてしまう」などといったことが挙げられます。
さらに「集団極性化がなぜ起こるのか?」ということを考えてみると理解がより深まります。
その理由の一つは、集団での意思決定は個人における意思決定と比べて責任の所在があいまいだからです。つまり例え「リスキーシフト」に転じて良くない結果になったとしても、特定の個人の責任になるという可能性が低いということです。
おわりに
今回の投稿は以上となります。
人間が集団を作るとそこには「集団の心理」がはたらきます。個人と集団の心理を比較することもまた心理学を学ぶ楽しさでもありますので、ご興味のあるかたは是非調べてみてください。
ここまでご覧いただきありがとうございました。