はじめに
皆さんこんにちは。ファイブアカデミーです。
試験勉強は順調に進んでいますでしょうか?
心理学系の試験勉強にも「暗記すべきこと」はたくさん出てきますが、皆さんはどうやって暗記をしていますでしょうか。
「ノートに何度も書く」「テキストを繰り返し見る」「音声で覚える」など覚え方は人それぞれかと思いますが、中には「暗記は苦手」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回はこの暗記のメカニズムを心理学の用語でご紹介します。ご自身の勉強の参考になれば幸いです。
リハーサルとは?
まず、暗記についてご紹介するときにキーワードとなるのが「リハーサル」という言葉です。
リハーサルというと一般的にはコンサートや舞台の「予行練習」というイメージが浮かぶかもしれませんが、心理学でいう「リハーサル」は下記の通りに定義されます。
短期記憶内に貯蔵された情報を、意図的あるいは無意図的に何回も反復して想起することをリハーサルという。
心理学専門校ファイブアカデミー(2020).心理学キーワード&キーパーソン事典 ナツメ社
短期記憶に関しましては、こちらの過去記事でも触れていますが、簡単にいうと「一時的に覚えている内容」ということです。
そしてこの「リハーサル」には「精緻化リハーサル」と「維持リハーサル」があり、下記の通りに定義されます。
リハーサルには、同じ情報を単純に反復する維持リハーサルと、情報に対するイメージの構成や意味的処理によって、すでに獲得している情報と関連付ける精緻化リハーサルの2つがある。
心理学専門校ファイブアカデミー(2020).心理学キーワード&キーパーソン事典 ナツメ社
具体例をご紹介
では、この二つのリハーサルについてわかりやすく実例を交えてご紹介します。
公認心理師資格試験の試験範囲の一つに「法律」の問題があります。それまで心理学をメインに学んできた受験生にとっては、「教育」「医療」「司法」などの領域の見慣れない用語がたくさん出てくるので多くの方が苦手とする範囲の一つです。
一つ例を挙げると「少年法」という分野があります。度々ニュースなどでもとりあげられるので一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、この「少年法」にまつわる用語や法律をひとつづつ反復して丸暗記して覚えることは、上記の「維持リハーサル」に該当します。
しかし心理学ではない専門外の分野を丸暗記するのはなかなか大変です。
そんな時に「精緻化リハーサル」が役に立ちます。例えば、下記の様に工夫をして覚える方法です。
- 少年法の成り立ちや改正の時系列が覚えられない→改正のきっかけとなった事件などと一緒に覚えてみる。
- 少年が犯罪を犯した後の処遇が覚えられない→具体的な事例を参照しながら一連の流れとして覚えてみる。
このように暗記したい内容が維持リハーサルでは覚えにくいときに、精緻化リハーサルを行うということが、暗記の工夫といえます。
おわりに
というわけで今回は、精緻化リハーサルと維持リハーサルについてご紹介しました。
丸暗記という作業はときには地味で退屈で嫌になる事もあるかもしれませんが、心理学で学んでいく様々な記憶の仕組みを使って少しでも楽しみながら乗り越えていただければ幸いです。
今回の投稿は以上となります。
ここまでご覧いただきありがとうございました。